NPOに転職するメリット・デメリットを現役NPO職員が紹介

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NPOに転職するメリット・デメリットを現役NPO職員が開設!

NPO(非営利団体)への転職に興味があっても、実際に決断をするのは怖いですよね。

私も8年前に大手企業からNPOへの転職を考え悩んでいました。今では転職をしてよかったなと自信をもって言うことができます。ぶっちゃけ話も含めて、NPO転職メリット・デメリットを知り、NPOで働くことのでイメージを膨らませてもらえたらと思います。

NPOとは何かを簡単に解説

NPOについて


 NPOとは民間非営利組織です。国内にはNPO法人(特定非営利活動法人)という法人がありますが、このブログではNPOをNPO法人に限らず、公益社団・財団法人、一般社団・財団法人(非営利型)、社会福祉法人、任意団体などの営利を目的としない組織の総称として紹介しています。

 

NPO法人を所管する内閣府のHPでは以下の様に定義されています。
“「NPO」とは「Non-Profit Organization」又は「Not-for-Profit Organization」の略称で、様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称です。

したがって、収益を目的とする事業を行うこと自体は認められますが、事業で得た収益は、様々な社会貢献活動に充てることになります。-一部省略-

NPOは法人格の有無を問わず、様々な分野(福祉、教育・文化、まちづくり、環境、国際協力など)で、社会の多様化したニーズに応える重要な役割を果たすことが期待されています。


NPOは企業や行政などこれまでの社会の活動の中で生まれてきたひずみや問題などに対して専門性を持って取り組む団体です。
収益が出る分野であれば企業が進出しています。
税金で対応すべき分野である判断した問題については行政が取り組んできました。

社会課題が見えにくく、多様化する中で、企業と行政では解決できない隙間の課題解決に向けて専門性を持って取り組んでいるのがNPOなのです。

そういった意味で、難易度が高くはありますが、やりがいと意義のある仕事をすることができます。

NPOもお金を稼いでもいい

もうひとつ知っておきたいのは、NPOが収益を目的とする事業を行うこと自体は認められているということ。

NPOなのだからボランティアで(無償で)やるべきだ、という批判を目にすることがありますが、それは誤りです。
NPO=完全無償のボランティア活動団体ではないのです。

NPOの収益源は実に多様です。
寄付金、会費、助成金、補助金という支援性の資金に加えて、

事業収入をあげることや、融資を受けることもできます。

そう考えると、一般的な企業と全く違うことをやっているわけではないのです。

※株式会社ではないため、株式の発行による資金調達はできません。

なので、一般企業で身に付けたスキルや経験は全く無駄になることはなく、

むしろNPOの中で重宝することが多いのです。

NPOは前述の通り、社会課題の解決に取り組む団体です。

民間企業や行政の経験を積んだ優秀な人材が転職し、

社会課題解決の担い手が増えることでより困っている人へ支援が行き届くことになり、今よりも少し良い社会が実現していくでしょう。

NPO転職のメリット

次に、NPOに転職することのメリットを3つご紹介していきます。

社会的な意義

NPOで働くことで社会課題の解決に最前線で携わることができます。NPOが向き合っているのは、行政でも企業でも解決することができていない課題です。

そこに真正面から向き合い、解決に向けた取り組みを行う人が増えることは、社会的にとても有意義なことだと言えます。

充実感

前述のような社会的に意義がある活動を主で行うことで、自分自身にもポジティブな充実感を得ることができます。

月並みですが、受益者さん(支援対象者のことをNPO業界ではこう呼ぶことが多い)から言っていただける「ありがとう。」という言葉を聞けたとき、本当にやっていてよかったなぁと実感できます。

また、これはNPOならではですが、活動を寄付やボランティアで応援してくださる方がいます。その方の思いを聞き、支援を受け取った時、何ものにも代え難い喜びを感じることができます。

視野が広がる

普通に過ごしていては気づきにくい社会課題に向き合うため、関わる分野の制度や社会の仕組みなどを知ることができるようになります。

こういったことを自分自身がまず知り、それを多くの人に知ってもらうことが社会課題の解決に繋がります。

また、ボランティアや寄付など自分の時間やお金を使って誰かを助けることが自分の幸せにつながるということを、身を持って知ることができるのは、人生100年時代においてとても重要なことのように思います。

NPO転職のデメリット

続いてNPO転職のデメリットを紹介します。

収入が少ない

NPOに転職を検討するうえで、ほぼ全員がぶつかる壁は収入です。

NPOの平均収入は民間企業と比べても200万ほど低いです。また、昇進しても1000万円を超えることはほとんどありません。

将来設計を考えたときに、マイホームを持ちたい、子どもを私立の学校に通わせたいという思いがある場合は、どうしても慎重になってしまうことは致し方ないでしょう。

活動の予算が少ない
大手のNPOを除き、システムやデザインなど一般企業が掛けられる様々な予算がない団体が多くあります。

そのため、非効率な作業をしなければいけなくなったり、何でも自分たちでやらなければならないことも多く、環境のギャップに驚かれることが多いかと思います。

1人に振り回されやすい

小規模の団体であればあるほど、トップやキーマンの考えに依存することが多く、議論が行き届かないことがあります。

無茶だと思っていても声に出せず、フラストレーションが貯まることもあります。大きな企業と比べてもガバナンスがききにくい環境でしょう。

NPOに転職してよかったこと

ここからは完全に主観です。まず前述のメリットデメリットは全て実体験からも、周囲のNPO団体からも耳にしてきたことでした。

私がNPOに転職してよかったと思った3つの観点をお伝えします。結論、私は転職して大正解だったと思っています。

自他に誇れる仕事ができている

転職する前は大企業で営業をしており、数字が人格のような職場でしたので、評価されるためにそれなりに成果も出し、営業表彰されたこともありました。

しかし、数字を出すために本質的には必要としていない方に商品を売ったこともありました。そういった中で「何で誰の役にも立たない仕事をしなきゃいけないんだ」自分の良心の呵責に耐えられなくなったこともありました。

NPOに転職してからは、支援を必要としている方に、自分の頭で考え必要な手立てを打つことができます。

そして、当然喜ばれるだけでなく、周囲の方からも応援していただくこともできるため、今の仕事ができていることが誇らしく思います。

これが自分にとっては1番喜ばしいことのように思います。

自分の仕事で新聞、テレビに出た

NPOの取り組みは新規性のある取り組みであることが多く、自団体がメディア戦略が上手いこともあり、何度か新聞やテレビで取り組みをお話させていただく経験を積みました。

恐らくこれは転職しなければできない経験でした。

何より嬉しいのは家族や親戚がそれを見て喜んでくれたこと。子どもが「パパー!?」と驚いてくれた動画を奥さんが撮ってくれており、それを見て少し泣きました。

そんな経験をさせてくれた今の仕事場に感謝しています。

自分にしかできないキャリアを開拓できた

NPOに転職して8年になります。慶應を出て、大企業から転職してNPOの世界に入ったという物珍しさもあるのか、最近は色々なところから話を聞きたいと連絡が入ることが増えてきました。

今も企業との関係構築を主に行っていますが、企業や行政にNPOのことを伝える、繋ぐ役割を担うようになってきたと思います。

転職時は誰もロールモデルがいなくて、不安な思いも沢山しましたが、結果的は希少性のあるキャリアを開拓できたのかなと思っています。

まとめ NPO転職はメリット、デメリットがあるが、魅力も沢山!

いかがでしたか。現実的な面もあれど、それを有り余るメリットや得る物があります。

何より、自分の信義に沿った仕事ができるのは間違いなく幸せなことです。もし今の仕事で悩んでいる方がいたら、NPOの門を叩いてほしいです。(ただし団体はちゃんと選ぶべし)

迷っている方がいたら遠慮なくご相談くださいね。最後までお読みいただきありがとうございました。

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